*ハンサムウーマンの哲学
鹿児島の離島を生涯愛し
文字通り骨も埋めた作家、
森瑤子は様々な哲学を残した。
それらの中で一番素敵な
忘れられてほしくない哲学がある
--“ほめ合う事”、
男・女・年齢など関係なく…
おべっかでも機嫌取りでもなく
本当の事を、その人の持っている
“良いもの”をみつけ、口にする習慣--
これを彼女は頻繁に語った
相手の素敵な部分を認め、本人に
伝えてあげることが、自身の素敵な
成長に繋がっていくのだとも…
森のご友人はそういう素敵な
人達が多かった。彼女は“ハンサム・
ウーマン”だっただけではない
一期一会を大切にし、瞬間の幸せを
人と一緒に充分に楽しむ方法を
心得ていた。凛とした女性、森の
著書の『親しき仲にも冷却あり』も
なかなかユニークで面白い。英会話に
親しむ為の本なのだが、母国語に
ついて、まず聞き上手であるかどうかに
ポイントをおいて、英語のマナーを
アドバイスしていた。また、彼女の
晩年、ある講座に出席し、『夜の
チョコレート』という辛口のエッセイ本に
サインを頂いた時は、森の為に
選んだドレスを見て、彼女は
「素敵なドレスね」とおっしゃり、
影響を受け、付けた私の筆名
”夏森 X”もほめられた。当時の私も
ほめられ下手で、嬉しさあまり緊張し
心の中でにっこりするしか出来なかった
森はサインの横に大きく
『出逢いの喜び』と書きそえた…
もともと私がヨロンをめざしたのも
世界を廻った森が、「世界で一番きれいな
海と温かい人々」とおっしゃった
ご縁なのだ。あれから二十年近くなる。
当時、白亜のギリシャを
地域も、今ではジョギングなど楽しめる
遊歩道ができたり、同時に浜が消えたり
大きな変貌をとげた。森が愛して
止まない島や人々も、彼女の逝去後
十五ヶ年経つ今、こうした哲学を一緒に
ふり返ってほしい。七月に永眠した
森瑤子は、島の空と海の蒼の境界と
なる丘に”眠っている” と同時に
この島の平安・清栄を
”祈りながら見守っている”と、
感じるのだ。
~7.6, 2008 瑤子様、十七回忌
※「ハンサム・ウーマン」は森が作り、広めた造語)
このエッセイは7月6日南日本新聞掲載
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)

最近のコメント